寝ても疲れがとれない、日中も眠くて仕事が進まないと悩んでいませんか?
睡眠中には、日中に溜まった疲労物質の排出、筋肉や細胞の修復、ホルモンの分泌など様々なことが体内で行われており、心身のリフレッシュには欠かせない時間となります。その睡眠が不足することによって、集中力や作業効率を下げるだけでなく、病気のリスクが高まる恐れもあります。
この記事では睡眠の質を高める方法を紹介していきます。
睡眠の質を下げる要因
睡眠の質を下げる要因は様々なものがありますが、まずは、日常生活に大きく関係する4つの要因を紹介します。
生活習慣
睡眠の質は、生活習慣によって左右されます。寝る直前に交感神経を刺激する行動をとると、脳が覚醒してしまい睡眠の質が低下します。具体的な例として、飲酒や喫煙、高い設定温度での入浴などがあります。
また、体内時計の乱れも睡眠の質の低下につながります。人間には約24時間周期のリズムがシステムとして組み込まれており(サーカディアンリズム)、夜になると眠くなり朝になると目が覚めるのもこの体内時計によるものです。しかし、体内時計は食事・運動の時間や光を浴びるタイミングに影響を受けるため、生活習慣によって体内時計に乱れが生じると、なかなか寝付けない・朝起きられない・途中で目が覚めるなどの問題が起こる可能性があります。
睡眠環境
睡眠の質には、睡眠をとる環境も重要な要素となります。気温・湿度・騒音・明るさなど環境に影響を及ぼす要因が睡眠環境に適さない状態だと、睡眠の質を著しく下げる恐れがあります。
また、枕の高さやマットレスの硬さなど、寝具が自分の体に合ってない場合も眠りにくくなる可能性があります。
ストレス
ストレスも睡眠の質を下げる要因の一つです。
ストレスを感じると交感神経が活発になり、寝つきが悪くなったり途中で目が覚めたりするなどの悪影響が現れる可能性があります。
したがって、睡眠の質を高めるには、リラックスして眠ることも非常に重要です。
運動不足
夜眠る時間になっても眠気を感じられない場合、日中の活動量が足りず体が疲労感を感じていない場合があります。また、若いころと比較して運動する回数や時間が減る方が多いため、年齢とともに眠りづらくなることもあります。
適度な運動習慣は、質の良い睡眠につながるため、ぜひ生活に取り入れましょう。
睡眠の質が下がることによる心身への影響
睡眠の質が低下すると、体内のホルモン分泌などにも変化が起こり、心身に様々な悪影響を及ぼします。具体的にはどのような影響が起こってくるのでしょうか。
注意力や作業効率を低下させる
睡眠不足は、日中の注意力や集中力、意欲低下につながります。
仕事の効率が下がり、ミスが増えることで生産性にも影響します。また、運転や高所作業など危険が伴う作業では勤務中の眠気や注意力の低下は事故にもつながりかねません。
生活習慣病のリスクを高める
睡眠不足は、肥満や高血圧、糖尿病、心臓病や脳卒中などの生活習慣病を発症するリスクを高めます。ホルモンの変化によって、食欲や代謝が変化することが主な原因と考えられています。また、睡眠の乱れによって食事や運動など、他の生活習慣も乱れやすくなることも理由のひとつです。
不安・うつなど心の不健康につながる
睡眠が不足すると、脳の感情を調節する部分の活性が低下する、ストレスホルモンが増加するなどの変化が起こり、不安やうつ状態につながります。不眠の症状がある人は、うつ病になりやすいともいわれています。
睡眠の質を高める8つの方法
日中の眠気に悩まされずに過ごすには、睡眠の質を上げ、睡眠不足を解消することが大切ですが、どうすれば睡眠の質を高めることができるのでしょうか。
ここでは、睡眠の質を高めるための方法を9つ紹介します。取り組みやすいものから実践し、生活習慣と睡眠習慣を改善してみましょう。
朝起きたら日光を浴びる
朝日を浴びると体内時計がリセットされ、その後15~16時間後に眠気が起こります。夜の寝つきをよくするためには、朝起きてすぐに日光を浴びておくことが重要です。起床直後に光を浴びないと、寝つく時間が少しずつ遅くなり、徐々に夜型の生活にシフトしてしまいます。
朝食をとる
朝食をとることも、体内時計のリセットに役立ちます。特に炭水化物とたんぱく質を組み合わせた食事は、体内時計をリセットする力が強いといわれています。鮭のおにぎり、ツナや卵のサンドイッチなど、簡単なものでもよいので朝食をとるようにしましょう。
また、食事をとることは目覚めを促し、1日のリズムにメリハリが生まれます。
遅い時間の食事を避ける
夕食は、寝る2時間前までには食べ終えるようにしましょう。食べる時間が遅くなる場合は、消化のよい食事がおすすめです。脂質が少ない料理がオススメです。
寝る直前の食事や消化に悪い食事は寝ている間に胃腸が活発に動くため、睡眠の妨げになります。
適度に運動する
運動によって昼間の覚醒度合いを高めることで、夜の寝つきをよくするのに役立ちます。また睡眠が深くなり、熟睡感が向上することも知られています。ただし、激しい運動を長時間行うとかえって睡眠が妨害されるため、適度な実施が大切です。
ウォーキングやジョギングなどの中強度の有酸素運動を、20~30分程度、週3~5日程度行うとよいとされています。タイミングは就寝の3時間前、夕方頃が理想的です。寝る直前に行うと逆効果になるため、注意しましょう。
入浴する
入浴することで体温が一時的に上がります。人は体温が下がるタイミングで眠くなるため、入浴によって一度体温を上げることでその後体温が下がり、寝つきやすくなります。またリラックス効果が得られることも、快眠につながるポイントです。
設定温度はぬるめに感じる38~40℃程度にして、ゆったりと湯船につかります。体温が下がるまでの時間を考えると、寝る2時間前に済ませるのが理想です。熱いお風呂が好きな場合は、さらに早めに入っておくとよいでしょう。
寝る前の喫煙・カフェイン・アルコールを避ける
タバコの煙に含まれるニコチンには覚醒作用があります。睡眠を妨害するため、寝る前はの喫煙は控えましょう。
カフェインにも覚醒作用があります。摂取から3時間程度効果が持続するため、夕食以降はカフェインを含まない飲み物を選びましょう。コーヒー以外にも緑茶や紅茶、栄養ドリンクやエナジードリンクにも含まれているため注意が必要です。
また、「寝酒」も避けましょう。寝つきをよくする働きがあるのは確かですが、アルコールには覚醒作用もあるため、深夜から明け方にかけての睡眠の質を下げます。熟睡感が得られにくくなるため、飲酒は夕食とともに終えるのがおすすめです。
寝る前にスマホなどの画面を見ない
スマートフォンやPC、テレビなど液晶画面からの光を浴びると、目がさえてしまい、寝つきが悪くなってしまいます。少なくとも寝る前の30分間は画面を見るのは控えましょう。
睡眠環境を整える
寝室の温度や湿度を調整することで、睡眠の質を高めます。静かで、適度に暗く、快適と感じる温度・湿度が眠りやすい環境です。
温度は高くても低くても覚醒しやすく、深く眠りにくくなります。寝るときに快適な温度になるよう、寝る前から調節しておくのがコツです。エアコンや電気毛布などを活用しましょう。
また、枕の高さやマットレスの硬さも睡眠の質に影響します。枕で頭の高さを調整し、立ち姿勢に近い状態に保つと眠りやすくなります。さらに、マットレスは腰が沈み込む場合は柔らかすぎる、背中やお尻が圧迫される場合は硬すぎるとされています。適した高さや硬さは体型によって異なるため、自分に合ったものを選びましょう。
まとめ
睡眠不足は日中の眠気を引き起こし、業務効率の低下や自己のリスクを増加させます。また、うつ病や生活習慣病など、心身の健康に悪影響を及ぼすこともあります。
今回紹介した方法で生活習慣や睡眠環境を改善し、すいみんの質を向上させ活力のある毎日を過ごしましょう。